BIPROGYプレゼンツ
川畠成道(かわばたなりみち)チャリティコンサート2025 パンフレット
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川畠成道(かわばたなりみち)チャリティコンサート
- 2025年8月7日(木)豊洲シビックセンターホール 18:00開演(17:30開場)
- 出演:
川畠成道(かわばたなりみち)(ヴァイオリン)
須関裕子(すせきひろこ)(ピアノ)
※やむを得ない事情により、出演者、曲目に変更がある場合がございます。予めご了承ください。
〈主催〉BIPROGY株式会社
〈協力〉公益財団法人 江東区文化コミュニティ財団 江東区豊洲文化センター
川畠成道音楽事務所
♪このコンサートはチャリティコンサートとなっております。
障がいを持つ方の社会参加を支援する団体への寄付にご協力をお願いいたします。
- 〈寄付先〉公益財団法人 日本盲導犬協会
https://www.moudouken.net
プログラム
- タルティーニ:悪魔のトリル
- エルガー:愛の挨拶
- クライスラー:愛の悲しみ
- クライスラー:愛の喜び
- クライスラー:前奏曲とアレグロ
休憩 - ハーライン:星に願いを
- メンケン:ホール・ニュー・ワールド
- グノー:アヴェ・マリア
- サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン
本活動は企業メセナ協議会認定活動です。
https://mecenat-mark.org/
曲目解説にかえて
~川畠成道(かわばたなりみち) みずからの言葉で~
1.ヴァイオリン・ソナタ ト短調《悪魔のトリル》
Violin Sonata in G minor “Le trile de diable” (arr:F.Kreisler for violin and piano)
G.タルティーニ Giuseppe Tartini(1692-1770)
時はバロック時代、演奏家に創作力とアドリブの能力が求められていた時代に生きた、若き名ヴァイオリニストで作曲家のタルティーニは、ある夜ヴァイオリンを弾く悪魔の夢を見る。夢の中で悪魔が彼に聴かせたものは、この世のものとは思えない見事なトリルで、感動のうちに夢から覚めたタルティーニは、すぐにそれを楽譜に書きとめた。それがこの「悪魔のトリル」である。
出だしのフレーズも、聴く者の心を惑わすように美しいが、やはりその後に続く、カデンツァを含む中間部での華麗な超絶技巧は圧巻だろう。1998年のデビューコンサート以来、何度となくプログラムに選んできたが、未だにこの魅惑的な作品を弾くことに魅せられている。あたかも、その悪魔的魅力の虜となっているかのように。
2.愛の挨拶 Op.12 Liebesgruss Op.12
E.エルガー Edward William Elgar(1857-1934)
8歳年上の夫人カロラインと結婚した年、エルガー32歳の時の作曲。
私のファーストアルバム”歌の翼に”の最初の収録曲としてもこの曲を選んだ。心にしみ入るさわやかな旋律を思うたび、その美しさに魅了されてしまう。色彩的には周りの色に映え、しかも他の色を引き立てるハッとするほど美しい白を思い起させる幸福感あふれる曲だと思う。
3.愛の悲しみ Liebesleid
4.愛の喜び Liebesfreud
F.クライスラー Fritz Kreisler(1875-1962)
ウィーン生まれで20世紀前半のヴァイオリンの名演奏家でもあるクライスラーの作品には、ウィーンの甘さとしゃれた雰囲気があり誰しもが共感を覚えるのではないだろうか。
「愛の悲しみ」、「愛の喜び」は、共にウィーンの古き佳き時代の舞踏会風のワルツだが、センチメンタルな思いを描いた前者と、快活な中にも優雅で感傷的な思いを忍ばせたように思われる後者とはセットで演奏される事も多い。誇り高きウィーンの音楽を、気品を持って演奏できればと思う。
5.前奏曲とアレグロ ~プニャーニの様式による Prelude and Allegro~in style of G.Pugnani
F.クライスラー Fritz Kreisler(1875-1962)
この曲の始めの部分を聴かれて、まず何をイメージされるだろうか。私は大木が忽然と林立して風格と威厳をたたえた風景を想像させられる。そして木々の間の斜面を水が躍るように動き回って、時にはユーモラスに、そしてある時は勇敢に流れていくように映り、心も躍らされる思いがする。クライスラーはプニャーニ(1731-1798)の作風を模倣したと言われているが、本来のクライスラーの軽快な音楽とは趣を異にした魅力がある。
6.星に願いを When You Wish Upon a Star
L.ハーライン Leigh Harline (1907-1969)
ディズニーファンのみならず誰しも1度は耳にしたことのある作品。
ゆったりと上下しつつも常に上行形で終始する旋律に願えば叶うとのメッセージを感じる事ができる。
7.ホール・ニュー・ワールド A Whole New World
A.メンケン Alan Menken(1949-)
ホール・ニュー・ワールドとは全く新しい世界との意味だが、新たな未来に対する希望を感じさせてくれる明るく爽やかな旋律が印象的な作品である。
8.アヴェ・マリア Ave Maria
C.グノー Charles François Gounod(1818-1893)
1980年、8歳で命の危なかった見ず知らずの私のことを、我が子と思って献身的に世話をして下さった今は亡き、はる子さんのアメリカンネームもマリアンであった。2000年秋、20年ぶりに訪れたロサンゼルスのコンサートで、最後に演奏したのもこの曲であった。この曲を演奏すると、これまで辿ってきた道を思い、自分を支えてくれた多くの方々への感謝の気持ちでいっぱいになる。J.S.バッハの《平均律クラヴィーア曲集 第1巻》の「前奏曲 第1番 ハ長調」にラテン語の聖句「アヴェ・マリア」をのせ、1859年に作曲された。尚、正確には前奏曲1番の22小節目の後に1小節だけ新しい音形が加えられている。
9.ツィゴイネルワイゼン Zigeunerweisen
P.サラサーテ Pablo Martín Melitón de Sarasate y Navascuéz(1844-1908)
スペインの名ヴァイオリニスト、パブロ・サラサーテは、圧倒的な技巧と甘美な音色で名声を博し莫大な富を得たが、その大半はチャリティなどの慈善事業に寄付されたと言う。また、彼は自ら作曲も行いコンサートでも度々演奏したが、それらの作品は今日パガニーニの作品と並びヴァイオリン超絶技巧集として広く親しまれている。しかしツィゴイネルワイゼン、サパテアート、バスク奇想曲に代表されるサラサーテ作品における技巧は、パガニーニのそれと違い細やかな運指を駆使した箇所が多く見受けられる。つまり、パガニーニが大きくて柔軟な手の持ち主であり重音奏法や音の跳躍を得意としていたのに対し、手の小さかったサラサーテはより細やかで早い指使いを用いた技巧を多用した。そして、それらは超絶技巧に留まらず常に美しいヴァイオリンの音色を充分に表現する事が出来る作品となっている。このツィゴイネルワイゼンも哀愁と甘美な感傷、そして奔放さあふれる三部からなっている。
出演者プロフィール
川畠成道(かわばたなりみち)プロフィール
1971年、東京生まれ。視覚障害を負った幼少期にヴァイオリンと出会い、音楽の勉強を始める。桐朋学園大学卒業後、英国王立音楽院へ留学。1997年、同院を同院史上2人目となるスペシャル・アーティスト・ステイタスの称号を授与され首席卒業。1998年、東京・サントリーホールにおいて小林研一郎指揮、日本フィルハーモニー交響楽団との共演でデビュー。その後、英国と日本を拠点にソリストとして精力的な活動を展開し、毎年数多くのリサイタルと国内外の主要オーケストラと多数共演を行っている。2004年、英国にてマリア・ジョアン・ピリス、ハインリッヒ・シフ等と共にチャールズ皇太子主催のリサイタルシリーズに邦人アーティストとして唯一人招かれ、英国人ピアニストとのデュオで高い評価を得る。2005年、イタリア・ボローニャ歌劇場にて開催されたボローニャ歌劇場室内合奏団とのヴィヴァルディ「四季」の演奏は、満員の観衆が総立ちとなる喝采を受ける。2006年は、ユベール・スダーン指揮ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団の日本ツアーのソリストに起用された他、米国、中国等でリサイタルツアーを開催。2007年、スロヴェニア国立マリボール歌劇場管弦楽団との共演でヴォルフ=フェラーリ作曲「ヴァイオリン協奏曲ニ長調」を日本初演、また同楽団のスロヴェニア公演でもソリストを務める。2011年には、欧州最高のオーケストラのひとつであるキエフ国立フィルハーモニー交響楽団の日本ツアーのソリストとして成功を収め、2013年、2019年にも再び共演するなど、着実な歩みを進めている。
CDは、1999年リリースのファーストアルバム「歌の翼に」(ビクターエンタテインメント)が20万枚の記録的大ヒットとなり各地で売り切れ公演が続出、大きな話題を集めて以来、2018年のデビュー20周年記念アルバム「J.S.BACH 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータBWV1001-1006」まで15枚をリリースしている。尚、デビュー10周年記念CD「ザ・ベスト」と11枚目のCD「川畠成道|クライスラーを弾く」、13枚目の「無伴奏の世界|川畠成道」は、「レコード芸術誌」で特選盤に選ばれている。
「徹子の部屋」、「スタジオパークからこんにちは」などのテレビ番組にも出演。エフエム世田谷「川畠成道のレディオ・ストリングス」では5年間パーソナリティーを務めた。弦楽器専門誌 「サラサーテ」における連載は、2007年より継続、好評を得ている。
デビュー当初より音楽活動の傍ら、積極的に国内外でチャリティコンサートを行う。
中学音楽鑑賞教材や高校英語・現代文教科書、高校入試問題やNHKラジオ高校講座「現代文」に映像や文章が使用される等、社会派アーティストとしても多方面に影響を与えている。
文部科学省スペシャルサポート大使。日本弦楽指導者協会関東支部所属。
川畠成道(かわばたなりみち)オフィシャルサイト
http://www.kawabatanarimichi.jp
須関裕子(すせきひろこ)Hiroko Suseki – piano
桐朋学園大学音楽学部卒業、同研究科を首席修了。16歳で第2回チェルニー=ステファンスカ国際ピアノコンクールにて第1位、併せてステファンスカ賞、遠藤郁子賞受賞。翌年ポーランド各地でリサイタルを行う。第18回園田高弘賞ピアノコンクール第3位。第16回宝塚ベガ音楽コンクール第1位。第3回国際室内楽アカデミー(ドイツ)にてグランプリを受賞。野平一郎氏プロデュース「ピアノ伴奏法講座」2008~2010年度受講生。ソリストとして、秋山和慶氏指揮・大阪フィルハーモニー交響楽団、長田雅人氏指揮・ふじのくに交響楽団、新田孝氏指揮・ニッポンシンフォニー、鈴木秀美氏指揮・静岡交響楽団、東京フィルハーモニー室内合奏団と協奏曲を共演。NHK-FMやTOKAIケーブルネットワーク「静響アワー」等に出演。室内楽・アンサンブル奏者として国内外の音楽家からの信望も厚く、堤剛氏をはじめ多くの演奏家のリサイタルやCD等で共演している。2018年2月、初のソロCD「La Campanella」リリース。
これまでに穐吉慶子、故寺西昭子、ミハイル・ヴォスクレセンスキー、野平多美の各氏に師事。桐朋女子高等学校および桐朋学園大学非常勤講師(ナンバリズミック)。桐朋学園大学嘱託演奏員。
オフィシャルブログ
https://ameblo.jp/hirorinpo/
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