BIPROGYプレゼンツ

川畠成道(かわばたなりみち)ニューイヤーコンサート 2025パンフレット

川畠成道(かわばたなりみち)ニューイヤーコンサート 2025パンフレット

BIPROGY(ビプロジー)プレゼンツ
川畠成道(かわばたなりみち)ニューイヤーコンサート2025

  • 2025年1月25日(土)浜離宮朝日ホール 音楽ホール
  • 13時30分開演(12時45分開場)

〈出演〉
川畠成道 かわばたなりみち(ヴァイオリン)
須関裕子 すせきひろこ(ピアノ)

〈主催〉川畠成道音楽事務所
〈協賛〉BIPROGY株式会社
〈協力〉社会福祉法人日本点字図書館、東京視覚障害者生活支援センター、株式会社テンポプリモ、ビクターエンタテインメント株式会社

ごあいさつ

 「BIPROGYプレゼンツ 川畠成道ニューイヤーコンサート2025」にご来場いただきまして誠にありがとうございます。
私たちは、川畠成道さんの音楽性、平和への願い、医療・福祉・教育分野での社会貢献活動や若い人の育成などの活動に共感し、1998年のデビューからオフィシャルパートナーとして活動を継続しています。本コンサートでは、目のご不自由な方々をお招きし、社員ボランティアがサポートをさせていただいています。音楽という芸術を通して視覚に頼らずとも多くの方々と感動を分かち合い、心でつながることができるこのような活動は社会的価値創出企業を目指す私たちBIPROGYグループにとって、大変価値のあるものです。
弊社は2022年4月よりBIPROGYという新たな社名を掲げました。BIPROGYは、光が屈折・反射した時に見える7色(Blue、Indigo、Purple、Red、Orange、Green、Yellow)の頭文字を使った造語です。この社名には、ボーダーレスな発想で社会課題解決に取り組むことで、社会価値創出企業へ変革し、すべての可能性を照らす存在となりたい、という想いを込めています。
その想いのもと、この場に多くの方々と共に集えたことに感謝いたします。このようなコンサートが視覚に限らず障害を持つ方々への理解と支援の輪を広げる一助となり、誰もが幸せに暮らせる社会の実現への一歩となることを心より願っています。
 川畠成道さんの奏でる、心に響くヴァイオリンの音色とともに、心休まるひとときをお過ごしいただければ幸いです。

2025年1月25日
BIPROGY株式会社
代表取締役社長 CEO
齊藤 昇

新春によせて

 今年2025年が、皆様にとりまして素晴らしい一年となりますよう心よりお祈りいたします。
 プログラム創りは音楽家にとってコンサートへの第一歩です。本ニューイヤーコンサートにおいても、その年の活動の方向性を示すべく思考を巡らしています。本年はフランス音楽にスポットを当てお届けいたします。私にとってのフランス音楽は、学生時代より多くのフランス人の先生に師事してきたこともあり、常に身近な存在であったように思います。一方クラシック音楽の歴史はドイツ、オーストリアを中心に流れてきた、それは多くの方々が持っておられるイメージかもしれません。哲学や精神性を追求したドイツ音楽に対し、旋律の優美さや華やかさが際立つのはフランス音楽の特徴と言えるのではないでしょうか。
 本日はそのようなフランス音楽の繊細さや色彩感といった一般的な概念に加え、ダイナミズムやエスプリ(スピリット)に富んだ表現、私自身が感じてきたフランス音楽の世界を描くことができればと考えています。
 最後になりましたが、本公演の開催にご尽力いただきましたBIPROGY株式会社、BIPROGYグループの皆様に心より御礼申し上げます。

川畠 成道

プログラム

【急告】 曲目変更のお知らせ(2025年1月25日(土)BIPROGYプレゼンツ「川畠成道ニューイヤーコンサート2025」)2025.1.24.

2025年1月25日(土)BIPROGYプレゼンツ「川畠成道ニューイヤーコンサート2025」で予定しておりました曲目を、川畠成道の急な体調不良により、下記のとおり変更いたします。
公演間際での急な変更となりましたことをお詫びいたします。
今回のやむを得ない事情について何卒ご理解いただけますようお願い申し上げます。

前半
  • 【約10分】ヴィターリ:シャコンヌ ト短調
  • 【約3分】クライスラー:美しきロスマリン
  • 【約4分】クライスラー:愛の悲しみ
  • 【約3分半】クライスラー:愛の喜び
  • 【約3分】エルガー:愛の挨拶 
  • 【約2分】ブラームス(ヨアヒム編):ハンガリー舞曲 第5番
休憩  20分
後半
  • 【約7分】J.ボック/井財野友人編:サンライズ・サンセット(映画「屋根の上のヴァイオリン弾き」より)

  • 【約4分半】マンシーニ(中原達彦編):ひまわり
  • 【約4分】マスネ(M.P.マルシック編):タイスの瞑想曲
  • 【約3分】ドビュッシー:組曲「子供の領分」より第6曲「ゴリウォーグのケークウォーク」
  • 【約5分半】グノー:アヴェ・マリア
  • 【約4分】モンティ:チャルダッシュ

※通常配布パンフレットには記載の無い【演奏時間】については、そのとおりではありません。演奏時間の目安として表示いたします。
※やむを得ない事情により、曲目などが変更になる場合がございますので、予めご了承ください。
※曲目変更による払い戻しはございません。

曲目解説にかえて
~川畠成道 みずからの言葉で~

シシリエンヌ 作品78
Sicilienne, Op.78 (arr. for Violin and piano)
G.フォーレ Gabriel Urbain Fauré(1845-1924)

シシリエンヌ(シチリアーノ)とはゆったりと流れる付点のリズムが特徴的な舞曲である。
フォーレは本作品をピアノとヴァイオリンのための作品として作曲したが、後にチェロやフルートなどの編曲も行い今日では様々な楽器によって演奏される。
1892年、作曲家サン=サーンスはパリの劇場より作品の委嘱を受ける。しかし当時あまりに多忙を極めていたサン=サーンスは、友人であり元弟子のフォーレに代わりに作曲するよう依頼する。これが誰しも一度は耳にしたことのある旋律の誕生へとつながっていく。

ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ニ短調 作品75
Violin Sonata No.1 in D Minor, Op.75
C.サン=サーンス Charles Camille Saint-Saëns(1835-1921)

カミーユ・サン=サーンスはモーツァルトとしばしば比較されるほどの神童であった。一説には2歳でピアノを弾き3歳で作曲を始め、10歳の時にはベートーヴェンのピアノソナタ全曲をマスターしていたという。また16歳の時に初めての交響曲を作曲しており、その点においては同じく10代後半で「真夏の夜の夢」を書き上げたメンデルスゾーン同様に早熟の作曲家と言えるのかも知れない。作風に関しては古典的と言われるが、20世紀に入ると極めて早い時期にもかかわらず映画音楽を書くなど、新たな分野に対する好奇心ものぞかせる。また音楽以外の分野にも造詣が深く、その知識は天文学や数学絵画などにも及んでいる。更には哲学論文や詩の執筆なども行い、その様な学識の高さも彼の作品に大きく反映されていると思う。
このソナタは1885年に作曲されている。同時期に作られた作品としては「交響曲第3番オルガン付き」や、「動物の謝肉祭」など彼の代表作が多く存在する。しばしばその作風が古典的と評されるサン=サーンスだがこの時期に入ると、それら代表作にも表れているように作品に対して実験的な試みを行うようになる。本ソナタにおいてサン=サーンスが行った実験的試みであり最大の特徴とも言えるのが、曲全体をいくつの楽章としてとらえるか謎めいた作りとなっている点が挙げられる。構成としては緩急緩急の古典的な4楽章形式とみることもできるが、その全体を前後半に分け2楽章形式との意見も存在する。そして全体をアタッカ(切れ目なく演奏すること)として大きな1楽章との見方もあり、その解釈は様々である。もう一つの特徴としては、彼がこの時期「交響曲第3番オルガン付き」などにも用いた循環形式が挙げられる。循環形式とは同じ動機や旋律を曲全体に登場させ曲に統一感を与える手法。この手法を用いた代表的ヴァイオリン曲として、セザール・フランクの「ヴァイオリン・ソナタ」があるが、サン=サーンスはこの曲をフランクより約1年早く書き上げており、もしかしたらこのソナタがフランクに影響を与えた可能性があるのか興味が持たれるところである。

ヴァイオリン・ソナタ ト長調
Violin Sonata in G Major
M.ラヴェル Joseph-Maurice Ravel(1875-1937)

I. Allegretto
II. Blues: Moderato
III. Perpetuum mobile: Allegro

ラヴェルは生涯に2曲の「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ」を作曲している。最初のソナタは若かりし1897年、ラヴェル22歳のころに書かれた。しかしこの作品は何らかの理由でお蔵入りとなり、その後自筆譜も失われていたが、ラヴェル生誕100年にあたる1975年に楽譜が再発見され、今日では遺作のソナタとして演奏されている。そしてもう1曲が、その約30年後に書かれた、3楽章からなるこのソナタである。
ラヴェルはその数年前より交流のあったハンガリー出身のヴァイオリニスト、ジェリー・ダラニーの演奏に刺激を受け、彼女のためにソナタを書こうと思い立った。しかし作品はすぐには完成せず、代わりに献呈されたのがツィガーヌである。その後もソナタの作曲は続けられ、1927年にようやく完成する。
初演はルーマニア出身のヴァイオリニスト、ジョルジュ・エネスクのヴァイオリンと、ラヴェル自身のピアノによって行われた。
1920年代、第1次世界大戦を経たパリでは、新たな音楽としてのジャズが流行し、ラヴェルもピカソやバルトーク、プロコフィエフといった芸術家と共にナイトクラブなどでその息吹を楽しんでいた。それはやがて創作活動の息抜きを超え、彼の作品における重要な位置を占めることになっていく。本作品の第2楽章はまさにその代表的なものといえるが、ある種の古めかしさを感じさせる第1楽章と、ヴァイオリン超絶技巧を生かした最終楽章との間で織りなすコントラストが特にユニークなソナタである。

ワルツ・カプリス 作品52-6(“ワルツ形式の練習曲”によるカプリス)
"Caprice d'après l'Etude en forme de Valse", Op.52 No.6(arr : E. Ysaÿe for violin and piano)
C.サン=サーンス Charles Camille Saint-Saëns(1835-1921)

原曲は1877年にサン=サーンスによってピアノのために作曲された6つの練習曲の終曲「ワルツ形式の練習曲」である。ベルギー出身のヴァイオリニスト、ウジェーヌ・イザイによってヴァイオリンのための超絶技巧作品として編曲された。イザイの代表作「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ」にもしばしば見受けられる半音階進行や効果的な技が数多く散りばめられており、イザイ独特の印象主義の影響が感じられる作品だと思う。

出演者プロフィール

川畠成道(かわばたなりみち) Narimichi Kawabata - violin

1971年、東京生まれ。視覚障害を負った幼少期にヴァイオリンと出会い、音楽の勉強を始める。桐朋学園大学卒業後、英国王立音楽院へ留学。1997年、同院を同院史上2人目となるスペシャル・アーティスト・ステイタスの称号を授与され首席卒業。1998年、東京・サントリーホールにおいて小林研一郎指揮、日本フィルハーモニー交響楽団との共演でデビュー。その後、英国と日本を拠点にソリストとして精力的な活動を展開し、毎年数多くのリサイタルと国内外の主要オーケストラと多数共演を行っている。2004年、英国にてマリア・ジョアン・ピリス、ハインリッヒ・シフ等と共にチャールズ皇太子主催のリサイタルシリーズに邦人アーティストとして唯一人招かれ、英国人ピアニストとのデュオで高い評価を得る。2005年、イタリア・ボローニャ歌劇場にて開催されたボローニャ歌劇場室内合奏団とのヴィヴァルディ「四季」の演奏は、満員の観衆が総立ちとなる喝采を受ける。2006年は、ユベール・スダーン指揮ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団の日本ツアーのソリストに起用された他、米国、中国等でリサイタルツアーを開催。2007年、スロヴェニア国立マリボール歌劇場管弦楽団との共演でヴォルフ=フェラーリ作曲「ヴァイオリン協奏曲ニ長調」を日本初演、また同楽団のスロヴェニア公演でもソリストを務める。2011年には、欧州最高のオーケストラのひとつであるキエフ国立フィルハーモニー交響楽団の日本ツアーのソリストとして成功を収め、2013年、2019年にも再び共演するなど、着実な歩みを進めている。
CDは、1999年リリースのファーストアルバム「歌の翼に」(ビクターエンタテインメント)が20万枚の記録的大ヒットとなり各地で売り切れ公演が続出、大きな話題を集めて以来、2018年のデビュー20周年記念アルバム「J.S.BACH 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータBWV1001-1006」まで15枚をリリースしている。尚、デビュー10周年記念CD「ザ・ベスト」と11枚目のCD「川畠成道|クライスラーを弾く」、13枚目の「無伴奏の世界|川畠成道」は、「レコード芸術誌」で特選盤に選ばれている。
「徹子の部屋」、「スタジオパークからこんにちは」などのテレビ番組にも出演。エフエム世田谷「川畠成道のレディオ・ストリングス」では5年間パーソナリティーを務めた。弦楽器専門誌 「サラサーテ」における連載は、2007年より継続、好評を得ている。
デビュー当初より音楽活動の傍ら、積極的に国内外でチャリティコンサートを行う。
中学音楽鑑賞教材や高校英語・現代文教科書、高校入試問題やNHKラジオ高校講座「現代文」に映像や文章が使用される等、社会派アーティストとしても多方面に影響を与えている。
文部科学省スペシャルサポート大使。日本弦楽指導者協会関東支部所属。
<川畠成道オフィシャルサイト https://www.kawabatanarimichi.jp>

須関裕子(すせきひろこ)Hiroko Suseki – piano

桐朋学園大学音楽学部卒業、同研究科を首席修了。16歳で第2回チェルニー=ステファンスカ国際ピアノコンクールにて第1位、併せてステファンスカ賞、遠藤郁子賞受賞。翌年ポーランド各地でリサイタルを行う。第18回園田高弘賞ピアノコンクール第3位。第16回宝塚ベガ音楽コンクール第1位。第3回国際室内楽アカデミー(ドイツ)にてグランプリを受賞。野平一郎氏プロデュース「ピアノ伴奏法講座」2008~2010年度受講生。ソリストとして、秋山和慶氏指揮・大阪フィルハーモニー交響楽団、長田雅人氏指揮・ふじのくに交響楽団、新田孝氏指揮・ニッポンシンフォニー、鈴木秀美氏指揮・静岡交響楽団、東京フィルハーモニー室内合奏団と協奏曲を共演。NHK-FMやTOKAIケーブルネットワーク「静響アワー」等に出演。室内楽・アンサンブル奏者として国内外の音楽家からの信望も厚く、堤剛氏をはじめ多くの演奏家のリサイタルやCD等で共演している。2018年2月、初のソロCD「La Campanella」リリース。
これまでに穐吉慶子、故寺西昭子、ミハイル・ヴォスクレセンスキー、野平多美の各氏に師事。桐朋女子高等学校および桐朋学園大学非常勤講師(ナンバリズミック)。桐朋学園大学嘱託演奏員。

感染症対策についてご確認ください

感染症対策についてのお知らせとお願い
classic_guideline230421.pdf

「お客様へのお願い」

館内ではマスクのご着用を推奨いたします。咳や発熱など体調に不安のある方は係員にお申し出ください。感染症対策にご理解とご協力をお願い申し上げます。

コンサートインフォメーション

※本日ロビーにてチケットをお求めいただけます

チャリティプログラム2025 「川畠成道ヴァイオリン・リサイタル」 

日時 2025年3月29日(土) 13時30分開演(12時45分開場) 
会場 浜離宮朝日ホール 音楽ホール
出演 川畠成道/ヴァイオリン  
山口研生/ピアノ
曲目
  • シューマン:ヴァイオリン・ソナタ 第1番 イ短調 作品105
  • ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ 第2番 イ長調 作品100
  • クララ・シューマン:3つのロマンス 第1番 作品22-1 他
チケット代金 【全席指定】 一般 S席5,500円 A席4,500円 学生 3,000円
お問合せ テンポプリモ Tel:03-3524-1221(平日10時半~17時)

川畠成道オフィシャルファンクラブ「川畠成道の会」入会のご案内

当会は、ヴァイオリニスト川畠成道の活動をサポートする会です。
コンサートチケットの優先予約や、「会報誌」のお届け、そして秋には『ファンの集い』の開催を予定しております。是非ご一緒に川畠成道を応援しませんか!
皆様のご入会を心よりお待ち申し上げております。

お問合せ

「川畠成道の会」事務局
〒107-0062 東京都港区南青山2-2-15 ウィン青山402号(川畠成道音楽事務所内)
電話:080-5504-7131(受付日時:毎週木曜13時~15時半)
FAX:03-6438-9694
Eメール:narimichinokai@music.so-net.ne.jp

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