BIPROGYプレゼンツ

川畠成道(かわばたなりみち)ニューイヤーコンサート 2024パンフレット

川畠成道(かわばたなりみち)ニューイヤーコンサート 2024パンフレット

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BIPROGY(ビプロジー)プレゼンツ
川畠成道(かわばたなりみち)ニューイヤーコンサート2024

  • 2024年1月27日(土)浜離宮朝日ホール 音楽ホール
  • 13時30分開演(12時45分開場)

〈出演〉
川畠成道 かわばたなりみち(ヴァイオリン)
須関裕子 すせきひろこ(ピアノ)

〈主催〉川畠成道音楽事務所
〈協賛〉BIPROGY株式会社
〈協力〉社会福祉法人日本点字図書館、東京視覚障害者生活支援センター、株式会社テンポプリモ、株式会社JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント

ごあいさつ

 「BIPROGYプレゼンツ 川畠成道ニューイヤーコンサート2024」にご来場いただきまして誠にありがとうございます。
 私たちは、川畠成道さんの音楽性、平和への願い、医療・福祉・教育分野での社会貢献活動や若い人の育成などの活動に共感し、1998年のデビューからオフィシャルパートナーとして活動を継続しています。今回も本コンサートに目のご不自由な方々をお招きし、BIPROGYグループの社員ボランティアが会場内でのサポートをさせていただいています。
 弊社は2022年4月よりBIPROGYという新たな社名を掲げました。BIPROGYは、光が屈折・反射した時に見える7色(Blue、Indigo、Purple、Red、Orange、Green、Yellow)の頭文字を使った造語です。この社名には、ボーダーレスな発想で社会課題解決に取り組むことで、社会価値創出企業へ変革し、すべての可能性を照らす存在となりたい、という想いを込めています。
その想いのもと、今日、再びこの場に多くの方々と共に集えたことに感謝いたします。
 川畠成道さんの奏でる、心に響くヴァイオリンの音色とともに、心休まるひとときをお過ごしいただければ幸いです。

2024年1月27日
BIPROGY株式会社

新春によせて

 新年あけましておめでとうございます。
今年2024年が皆様にとりまして素晴らしい一年となりますよう心よりお祈りいたします。

 本日は新年を祝うに相応しいモーツァルトのソナタを中心に、明るく華やかなプログラムをお届けいたします。
本日1月27日は、モーツァルトの268回目の誕生日にあたります。彼の音楽は生命力にあふれ、文化や年齢も超え私たちに語り掛けてくれます。様々な困難をも新春の雪解け水のごとくさらりと流してくれます。
2024年もそのような音楽の力を一人でも多くの方に伝えていけますよう努めてまいります。

 最後になりましたが、毎年このコンサートを応援し開催にあたりご尽力くださいますBIPROGY株式会社、BIPROGYグループの皆様に心より御礼申し上げます。

川畠 成道

プログラム

前半
  • 【約18分】ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第3番 変ホ長調 Op.12-3
    約6分 第一楽章:Allegro con spirito
    約6分 第二楽章:Adagio con molto espressione
    約6分 第三楽章:Rondo Allegro molto
  • 【約23分】モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ 第40番 変ロ長調 K.454
    約8分 第一楽章:Largo-Allegro
    約7.5分 第二楽章:Andante
    約7.5分 第三楽章:Allegretto
休憩  20分
後半
  • ガーシュウィン/J. ハイフェッツ編:歌劇「ポーギーとベス」より

    【約4分】サマータイム、女は気まぐれ、
    【約2分】そんなことはどうでもいいさ

    【約7分】チャイコフスキー:ワルツ・スケルツォ Op.34 
    【約2分半】ゴドフスキー(ハイフェッツ編):なつかしきウィーン 

    【約13分】サラサーテ:カルメン幻想曲

※配布パンフレットには記載の無い【演奏時間】については、そのとおりではありません。演奏時間の目安として表示いたします。
※やむを得ない事情により、曲目などが変更になる場合がございますので、予めご了承ください。

曲目解説にかえて
 ~川畠成道 みずからの言葉で~

ヴァイオリン・ソナタ 第3番 変ホ長調 Op.12-3 
Violin Sonata No.3 in E-Flat Major, Op.12-3
L.v.ベートーヴェン Ludwig van Beethoven(1770-1827)

このソナタは、第1番・第2番と共に3部作といわれ、1797年から98年にかけ作曲された。3曲の中でも特に高度な技巧を要するが、とりわけピアノパートの難易度はソナタ全10曲の中でも際立っていると言われる。ヴァイオリン・ソナタとしては、変ホ長調という比較的珍しい調性で書かれているのも特徴のひとつと言えるだろう。この作品以外の変ホ長調のソナタとしてはリヒャルト・シュトラウスのものが挙げられるが、両作品とも作曲者が20代の時のものであり、もしかすると変ホ長調は若かりし作曲家たちの意欲の現れを示す調性なのかも知れない。全体として明るく快活な印象を与えており、後に作曲されることになる「クロイツェルソナタ」のようなベートーヴェンの内面の激しさを描写したものとは異なり、彼自身の違った一面を覗かせてくれる。
『作品12』として第1番・第2番と共に、師であるウィーンのハプスブルク宮の楽長であったアントニオ・サリエリに献呈されている。

第1楽章:Allegro con spirito
第2楽章:Adagio con molto espressione
第3楽章:Rondo Allegro molto

ヴァイオリン・ソナタ 第40番 変ロ長調 K.454
Violin Sonata No.40 in B-flat Major K.454
W.A.モーツァルト Wolfgang Amadeus Mozart(1756-1791)

この作品は、マントヴァ出身のヴァイオリニスト、レジーナ・ストリナザッキのために書かれた。彼女は、ヴィヴァルディが教鞭を執ったヴェネチアのピエタ女子養育院でヴァイオリンを学び、その後イタリアを中心にヨーロッパ各地でコンサート活動を行っていた。
同作品は、ストリナザッキが1784年にウィーンを訪れた際に作曲され、初演はモーツァルト自らピアノを受け持ち行われた。ただし初演時にはピアノパートは完成しておらず、当日は即興による演奏であったという。
今日ではヴァイオリンソナタといわれる作品も、モーツァルトの時代にはヴァイオリンの伴奏つきクラビア(ピアノ)ソナタという理解が一般的であった。
本作品についても、彼の自作目録には「ヴァイオリンを伴うクラビアソナタ」と記されている。しかし、内容においてはヴァイオリンもピアノとほぼ同様の役割が与えられており、2つの楽器の台頭性が際立つ作品となっている。
後のヴァイオリンソナタの方向性を示す一助となった作品といえるのかもしれない。

第1楽章:Largo-Allegro
第2楽章:Andante  
第3楽章:Allegretto

歌劇「ポーギーとベス」より
“Porgy and Bess” 
G.ガーシュウィン(1898-1937)ヤッシャ・ハイフェッツ編曲 George Gershwin (arr : Jascha Heifetz)

アメリカ東海岸の港湾都市チャールストンに生まれたデュボース・ヘイワードが、自身の故郷を舞台にした小説ポーギーを書いたのは1925年のことである。その翌年にはガーシュインもこの物語を読み、そのオペラ化を構想していたものの、実際に着手するまでに8年ほどの時間を要している。1933年、ガーシュインは改めてこの物語に触れ、その後、舞台となったサウス・カロライナ州チャールストンへと旅立ってゆく。彼は2度にわたり当地に滞在し黒人コミュニティーに身を投じ、その世界を体感した。それは作品を単に白人の手による想像的物語にとどめず、プリミティヴな黒人文化の中に新たな音楽的可能性を見出し、そのことがジャズや黒人霊歌との融合を求めた彼自身の音楽的原点へとつながっていく。

-サマータイム、女は気まぐれ
Summertime 〜 A Woman Is A Sometime Thing from the Opera"Porgy and Bess"

ガーシュインはユダヤ系ロシア人の移民の子としてニューヨークに生まれた。子供の頃よりジャズやラグタイム音楽に親しみクラシック音楽もほぼ独学で学んでいる。
「サマータイム」は、オペラの中では子守歌として歌詞を変え、各幕ごとに歌われる。作品全体のキーとなるアリアである。
サマータイムに続き漁師ジェイクによって歌われるのが「女は気まぐれ」。演奏に際しては、歌詞を持たないヴァイオリンで、そのブルージー(甘ったるさ、泥臭さ)な空気感をいかに表現するかがポイントとなるであろう。

-そんなことはどうでもいいさ
It Ain't Necessarily So from the Opera"Porgy and Bess"

ピクニックにやってきたベスと仲間たちは、麻薬売人スポーティング・ライフの音頭のもとに俗っぽいダンスに興じている。タイトルの「そんなことはどうでもいいさ」とは、スポーティング・ライフが聖書の引用を用い、必ずしもそうとは限らないとちゃかして歌ったもの。粗野で素朴な表現を心掛けたい。曲の終盤には「女は気まぐれ」の旋律が即興的に表れる。

ワルツ・スケルツォOp.34
Valse scherzo, Op.34 (version for violin and piano)
P.チャイコフスキー Pyotr Il'yich Tchaikovsky(1840-1893)

かつては実用的な目的で作られた舞曲作品も、この時代に入ると実際に踊るというよりは、むしろ鑑賞用として作曲されることが主流となった。しかし、チャイコフスキーの舞曲では、同時代に活躍した他の作曲家のそれと比べ舞台上で踊るバレリーナをより鮮明に彷彿させるように思う。この曲は「憂鬱なセレナーデ」の二年後、また「ヴァイオリン協奏曲」の前年に書かれた。つまり、チャイコフスキー自身がヴァイオリン作品に対する創作意欲をより強く持っていた時代の作品であり、バレエ音楽作曲家チャイコフスキー特有の
気品と優雅さ、それに高度な技巧を併せもった作品である。

なつかしきウィーン
Alt Wien (Triakontameron No.11)
(arr : J.Heifetz for violin and piano)
L.ゴドフスキー Leopold Godowsky(1870-1938)

ゴドフスキーは19世紀から20世紀にかけヨーロッパ、アメリカで活躍したピアニスト、作曲家である。若いころよりサン=サーンスやラフマニノフなどその時代を代表する音楽家と交友を持ちピアニストの中のピアニストと称されるヴィルトゥオーゾだった。本作品は1920年に書かれた「30日物語」の中の第11曲で、1934年にヤッシャ・ ハイフェッツにより編曲されている。

カルメン幻想曲
Fantaisie sur Carmen
P.サラサーテ Pablo Martín Melitón de Sarasate y Navascuéz(1844-1908)

本作品は1883年、ヴァイオリンと管弦楽のための作品として作曲された。言わずと知れたオペラ「カルメン」を、スペインのヴァイオリニスト、サラサーテが自ら奏すべく幻想曲風に仕上げた超絶技巧作品である。
衝撃的なストーリー展開、自由奔放なカルメン、情熱的なスペインのリズム、そしてシンプルで親しみやすい旋律など、この不朽の名作を表すキーワードはいくつも思い浮かぶだろう。幻想曲(ファンタジー)とはソナタやロンドのような楽曲形式にとらわれず、自由なスタイルで構成された作品を指す。サラサーテが作品に与えた妙技、とりわけ超高速での運指は、彼のもっとも得意としたものであった。そしてそれは単に技術を誇示するにとどまらず、作品にスリルとダイナミズム(力強さ、迫力)を与え、後世のヴァイオリニストの技術力表現力向上をもたらした。サラサーテがヴァイオリン界に残した大きな功績といえるだろう。

出演者プロフィール

川畠成道(かわばたなりみち) Narimichi Kawabata - violin

1971年、東京生まれ。視覚障害を負った幼少期にヴァイオリンと出会い、音楽の勉強を始める。桐朋学園大学卒業後、英国王立音楽院へ留学。1997年、同院を同院史上2人目となるスペシャル・アーティスト・ステイタスの称号を授与され首席卒業。1998年、東京・サントリーホールにおいて小林研一郎指揮、日本フィルハーモニー交響楽団との共演でデビュー。その後、英国と日本を拠点にソリストとして精力的な活動を展開し、毎年数多くのリサイタルと国内外の主要オーケストラと多数共演を行っている。2004年、英国にてマリア・ジョアン・ピリス、ハインリッヒ・シフ等と共にチャールズ皇太子主催のリサイタルシリーズに邦人アーティストとして唯一人招かれ、英国人ピアニストとのデュオで高い評価を得る。2005年、イタリア・ボローニャ歌劇場にて開催されたボローニャ歌劇場室内合奏団とのヴィヴァルディ「四季」の演奏は、満員の観衆が総立ちとなる喝采を受ける。2006年は、ユベール・スダーン指揮ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団の日本ツアーのソリストに起用された他、米国、中国等でリサイタルツアーを開催。2007年、スロヴェニア国立マリボール歌劇場管弦楽団との共演でヴォルフ=フェラーリ作曲「ヴァイオリン協奏曲ニ長調」を日本初演、また同楽団のスロヴェニア公演でもソリストを務める。2011年には、欧州最高のオーケストラのひとつであるキエフ国立フィルハーモニー交響楽団の日本ツアーのソリストとして成功を収め、2013年、2019年にも再び共演するなど、着実な歩みを進めている。
CDは、1999年リリースのファーストアルバム「歌の翼に」(ビクターエンタテインメント)が20万枚の記録的大ヒットとなり各地で売り切れ公演が続出、大きな話題を集めて以来、2018年のデビュー20周年記念アルバム「J.S.BACH 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータBWV1001-1006」まで15枚をリリースしている。尚、デビュー10周年記念CD「ザ・ベスト」と11枚目のCD「川畠成道|クライスラーを弾く」、13枚目の「無伴奏の世界|川畠成道」は、「レコード芸術誌」で特選盤に選ばれている。
「徹子の部屋」、「スタジオパークからこんにちは」などのテレビ番組にも出演。エフエム世田谷「川畠成道のレディオ・ストリングス」では5年間パーソナリティーを務めた。弦楽器専門誌 「サラサーテ」における連載は、2007年より継続、好評を得ている。
デビュー当初より音楽活動の傍ら、積極的に国内外でチャリティコンサートを行う。
中学音楽鑑賞教材や高校英語・現代文教科書、高校入試問題やNHKラジオ高校講座「現代文」に映像や文章が使用される等、社会派アーティストとしても多方面に影響を与えている。
文部科学省スペシャルサポート大使。日本弦楽指導者協会関東支部所属。
<川畠成道オフィシャルサイト https://www.kawabatanarimichi.jp>

須関裕子(すせきひろこ)Hiroko Suseki – piano

桐朋学園大学音楽学部卒業、同研究科を首席修了。16歳で第2回チェルニー=ステファンスカ国際ピアノコンクールにて第1位、併せてステファンスカ賞、遠藤郁子賞受賞。翌年ポーランド各地でリサイタルを行う。第18回園田高弘賞ピアノコンクール第3位。第16回宝塚ベガ音楽コンクール第1位。第3回国際室内楽アカデミー(ドイツ)にてグランプリを受賞。野平一郎氏プロデュース「ピアノ伴奏法講座」2008~2010年度受講生。ソリストとして、秋山和慶氏指揮・大阪フィルハーモニー交響楽団、長田雅人氏指揮・ふじのくに交響楽団、新田孝氏指揮・ニッポンシンフォニー、鈴木秀美氏指揮・静岡交響楽団、東京フィルハーモニー室内合奏団と協奏曲を共演。NHK-FMやTOKAIケーブルネットワーク「静響アワー」等に出演。室内楽・アンサンブル奏者として国内外の音楽家からの信望も厚く、堤剛氏をはじめ多くの演奏家のリサイタルやCD等で共演している。2018年2月、初のソロCD「La Campanella」リリース。
これまでに穐吉慶子、故寺西昭子、ミハイル・ヴォスクレセンスキー、野平多美の各氏に師事。桐朋女子高等学校および桐朋学園大学非常勤講師(ナンバリズミック)。桐朋学園大学嘱託演奏員。

感染症対策についてご確認ください

感染症対策についてのお知らせとお願い
https://tempoprimo.co.jp/stage/y2023/kawabata-ny2024

「お客様へのお願い」

館内ではマスクをご着用ください。咳や発熱など体調に不安のある方は係員にお申し出ください。感染症対策にご理解とご協力をお願い申し上げます。

コンサートインフォメーション

※本日ロビーにてチケットをお求めいただけます

チャリティプログラム2024「川畠成道ヴァイオリン・リサイタル」 

日時 2024年3月23日(土) 13:30開演(12:45開場)
会場 浜離宮朝日ホール 音楽ホール
出演 川畠成道/ヴァイオリン  
寺嶋陸也/ピアノ 
曲目
  • フランク ヴァイオリン・ソナタ イ長調 M.8
  • 寺嶋陸也 山道 *初演
  • 寺嶋陸也 讃歌 *初演
  • サラサーテ ツィゴイネルワイゼン 他
チケット代金 【全席指定】 一般 S席5,500円 A席4,500円 学生 3,000円
お問合せ テンポプリモ Tel:03-3524-1221(平日10時半~17時)
『プレ・ミニコンサート』のお知らせ 開演前のひととき、ぜひお楽しみください(13時~13時15分頃 ステージにて)
演奏:川畠成道(Vn.)/林陽菜(Pf.)

川畠成道オフィシャルファンクラブ「川畠成道の会」入会のご案内

当会は、ヴァイオリニスト川畠成道の活動をサポートする会です。
コンサートチケットの優先予約や、会報誌のお届け、そして秋には「ファンの集い」の開催を予定しております。是非ご一緒に川畠成道を応援しませんか!
皆様のご入会を心よりお待ち申し上げております。

お問合せ

「川畠成道の会」事務局
〒107-0062 東京都港区南青山2-2-15 ウィン青山402号(川畠成道音楽事務所内)
電話:080-5504-7131(受付日時:毎週木曜13時~15時半)
FAX:03-6438-9694
Eメール:narimichinokai@music.so-net.ne.jp