日本ユニシス・プレゼンツ

川畠成道(かわばたなりみち)ニューイヤーコンサート 2022パンフレット

お使いの機器の音声読み上げ機能(画面読み上げ機能)をオンにしていただきますと、パンフレットの内容を音声でお聞きいただけます。

日本ユニシス・プレゼンツ
川畠成道(かわばたなりみち)ニューイヤーコンサート2022

  • 2022年1月30日(日)紀尾井ホール 13:30開演(12:30開場)
  • 出演:
    川畠成道 かわばたなりみち(ヴァイオリン)
    須関裕子 すせきひろこ(ピアノ)

〈主催〉川畠成道音楽事務所
〈協賛〉日本ユニシス株式会社
〈協力〉社会福祉法人 日本点字図書館、東京視覚障害者生活支援センター、株式会社テンポプリモ、株式会社JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント

ごあいさつ

 「日本ユニシス・プレゼンツ川畠成道ニューイヤーコンサート2022」にご来場いただきまして誠にありがとうございます。
 私たちは、川畠成道さんの音楽性、平和への願い、医療・福祉・教育分野での社会貢献活動や若い人の育成などの活動に共感し、1998年のデビューからオフィシャルパートナーとして活動を継続しています。
 弊社は2022年4月よりBIPROGYという新たな社名を掲げます。この社名には、多様な方々と共に手を取り合い持続可能な社会の創出を目指していきたい、という想いを込めています。
 その想いのもと、今日、再びこの場に多くの方々と共に集えたことに感謝いたします。
 川畠成道さんの奏でる、心に響くヴァイオリンの音色とともに、心休まるひとときをお過ごしいただければ幸いです。

2022年1月30日
日本ユニシス株式会社

新春によせて

 新年あけましておめでとうございます。2022年が皆様にとりまして素晴らしい一年となりますよう、また社会全体を覆う状況が一日も早く改善することを心より願っています。

 本日は新しい年の幕開けを祝うに相応しい作品として、今年生誕200年を迎えたフランクを中心に据えたプログラムをお届けします。この不朽の名作が生まれた背景とそこにまつわる人間模様を表現できればと考えています。
 いかなる時代をも乗り越え受け継がれてきた音楽には、私たちの想像を超えた力があると信じます。私自身その体現者であるという自覚を持ちつつ、今年一年を過ごしてまいりたいと思います。

 最後になりましたが、毎年このコンサートを応援してくださっている日本ユニシス株式会社、日本ユニシスグループの皆様に心より御礼申し上げます。

川畠 成道

プログラム

前半
  • サン=サーンス(イザイ編):ワルツ・カプリス Op.52-6
  • フォーレ:3つの歌 Op. 7 第1曲 夢のあとに
  • イザイ:子供の夢
  • イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ニ短調 Op.27-3「バラード」
休憩  20分
後半
  • フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調 M.8
    第1楽章:Allegro moderato
    第2楽章:Allegro
    第3楽章:Recitativo - Fantasia: Ben moderato - Molto lento
    第4楽章:Allegretto poco mosso

※やむを得ない事情により、出演者、曲目が変更になる場合がございますので、予めご了承ください。

曲目解説にかえて
 ~川畠成道 みずからの言葉で~

ワルツ・カプリス Op.52-6
Caprice en Forme de Valse, Op.52-6(arr : E. Ysaye for violin and piano)
C.サン=サーンス Camille Saint-Saens(1835-1921)

原曲は1877年にサン=サーンスによってピアノのために作曲された6つの練習曲の終曲「ワルツ形式の練習曲」である。ベルギー出身のヴァイオリニスト、ウジェーヌ・イザイによってヴァイオリンのための超絶技巧作品として編曲された。イザイの代表作「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ」にもしばしば見受けられる半音階進行や効果的な技が数多く散りばめられておりイザイ独特の印象主義の影響が感じられる作品だと思う。

夢のあとに Op.7-1
Apres un reve Op.7-1
G.フォーレ Gabriel Urbain Faure(1845-1924)

2枚めのCD“アヴェ・マリア”にも収録されているが、元々は60年もの間、歌曲を作曲し続けたフォーレの代表的な歌曲である。2000年11月、師事していたG.プーレの教えを乞うため、ドーヴァー海峡を渡りパリに行ったが、フランスの香り高い気品ある名曲を再び学ぶことができた。 それにしても、フォーレはどんな思いでこれを作曲したのか。もしかしたら、夢の中でしか叶えられない今は懐かしい人との再会、そして目覚めた後の切ない思いを描いたのかもしれないと思ったりもする。

子供の夢 Op.14
Reve d'Enfant, Op.14 (version for violin and piano) 
E.イザイ Eugene-Auguste Ysaye(1858-1931)

この作品はイザイが生まれた息子のために作曲した。ゆったりとしたテンポの内に独特の浮遊感をたたえている。現代の奏法ではほぼ失われつつある指をスライドさせていく技術(ポルタメント)をどのように用いるかがカギとなるであろう。

無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ニ短調 Op.27-3 「バラード」
Violin Sonata No.3 in D Minor, Op.27, "Ballade"
E.イザイ Eugene-Auguste Ysaye(1858-1931)

イザイはベルギーが生んだ大ヴァイオリニストである。また作曲家、教師、指揮者としてもその名を知られた。イザイに献呈された作品は数多いが、有名なフランクのピアノとヴァイオリンのためのソナタイ長調や、サン=サーンスのヴァイオリンコンチェルト第3番もイザイに捧げられている。
さて、この無伴奏ソナタは全6曲の内の第3番目で単一楽章である。第1番、第2番はバッハの崇高な音楽に対してのある種の挑戦とも受け取れる作品となっているが、この3番「バラード」からは、完全にイザイ独自の世界を生み出している。ルーマニアのヴァイオリニストで作曲家のエネスコに献呈された。ゆるやかなテンポで始まり、即興的なフレーズと共に、ヴァイオリンの機能を知り尽くした技巧的な効果も駆使され、多彩な表現で、幻想的に情熱的に歌い上げて行く。
ヴァイオリン奏者にとって知性ゆたかなイザイの無伴奏ソナタは憧れの的であり、技術的にも音楽的にも起伏に富んだ内容になっている。そのうち学生時代から弾いて来た全6曲を演奏できる機会があればと思う。

ヴァイオリン・ソナタ イ長調 M.8
Violin Sonata in A Major, M. 8
C.フランク Cesar-Auguste-Jean-Guillaume-Hubert Franck(1822-1890)

第1楽章:Allegretto ben moderato
第2楽章:Allegro
第3楽章:Recitativo - Fantasia: Ben moderato - Molto lento
第4楽章:Allegretto poco mosso

循環形式と呼ばれる、一つのモチーフが複数の楽章において現れるというフランク独特の手法によって書かれている。一流のオルガニストでもあったフランクであるが、ソナタを通して見られる精巧な和声技法(対位法)は、演奏家として得たその五感の現れともいえよう。このソナタは、ヴァイオリン以外の楽器-ヴィオラ、チェロそしてフルート-でも演奏されているが、このように異なった楽器でも演奏され得ることは、その美しい和声的手法の証明と言えるのかもしれない。また、曲全体を通して浮かび上がる情景は、その後の近代フランス音楽の作曲家たちを育てたフランクの偉大さを示すかのごとく、色彩豊かなものとなっている。
美しい自然が感性豊かに描写された様に思える1楽章、緊迫感に満ちた魅力溢れる旋律の2楽章、嵐の後の静けさに思わずひざまずいて、平和への感謝を祈らずにはいられない3楽章、そして4楽章は苦しみや悲しみも超越してしまう幸福感に満ちた美しいピアノとヴァイオリンとのかけあい(カノン)で始まり、1楽章から3楽章までの主題が次々と回想されて行く。私達が生きて行く上に必要な詩情を、全曲を通して愛情豊かに織り込んで作曲されているように思う。
演奏に際しては豊かな想像力(イマジネイション)と洗練された創造力(クリエイティヴィティー)が要求されるのではないだろうか。それだけに独自の解釈を作り上げるのは非常に難しく、胸に迫る作曲者の感受性をどこまで表現できるかに尽きると思う。フランクは生涯にヴァイオリンソナタは1曲しか作曲していないが、最も人気の高いヴァイオリンとピアノのためのソナタとして知られている。晩年の1886年の作だが、同じベルギー人でもある友人のヴァイオリニスト E.イザイへの結婚の贈り物として書かれた。

出演者プロフィール

川畠成道(かわばたなりみち) Narimichi Kawabata - violin

1971年、東京生まれ。視覚障害を負った幼少期にヴァイオリンと出会い、音楽の勉強を始める。桐朋学園大学卒業後、英国王立音楽院へ留学。1997年、同院を同院史上2人目となるスペシャル・アーティスト・ステイタスの称号を授与され首席卒業。1998年、東京・サントリーホールにおいて小林研一郎指揮、日本フィルハーモニー交響楽団との共演でデビュー。その後、英国と日本を拠点にソリストとして精力的な活動を展開し、毎年数多くのリサイタルと国内外の主要オーケストラと多数共演を行っている。2004年、英国にてマリア・ジョアン・ピリス、ハインリッヒ・シフ等と共にチャールズ皇太子主催のリサイタルシリーズに邦人アーティストとして唯一人招かれ、英国人ピアニストとのデュオで高い評価を得る。2005年、イタリア・ボローニャ歌劇場にて開催されたボローニャ歌劇場室内合奏団とのヴィヴァルディ「四季」の演奏は、満員の観衆が総立ちとなる喝采を受ける。2006年は、ユベール・スダーン指揮ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団の日本ツアーのソリストに起用された他、米国、中国等でリサイタルツアーを開催。2007年、スロヴェニア国立マリボール歌劇場管弦楽団との共演でヴォルフ=フェラーリ作曲「ヴァイオリン協奏曲ニ長調」を日本初演、また同楽団のスロヴェニア公演でもソリストを務める。2011年には、欧州最高のオーケストラのひとつであるキエフ国立フィルハーモニー交響楽団の日本ツアーのソリストとして成功を収め、2013年、2019年にも再び共演するなど、着実な歩みを進めている。
CDは、1999年リリースのファーストアルバム「歌の翼に」(ビクターエンタテインメント)が20万枚の記録的大ヒットとなり各地で売り切れ公演が続出、大きな話題を集めて以来、2018年のデビュー20周年記念アルバム「J.S.BACH 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータBWV1001-1006」まで15枚をリリースしている。尚、デビュー10周年記念CD「ザ・ベスト」と11枚目のCD「川畠成道|クライスラーを弾く」、13枚目の「無伴奏の世界|川畠成道」は、「レコード芸術誌」で特選盤に選ばれている。
「徹子の部屋」、「スタジオパークからこんにちは」などのテレビ番組にも出演。エフエム世田谷「川畠成道のレディオ・ストリングス」では5年間パーソナリティーを務めた。弦楽器専門誌 「サラサーテ」における連載は、2007年より継続、好評を得ている。
デビュー当初より音楽活動の傍ら、積極的に国内外でチャリティコンサートを行う。
中学音楽鑑賞教材や高校英語・現代文教科書、高校入試問題やNHKラジオ高校講座「現代文」に映像や文章が使用される等、社会派アーティストとしても多方面に影響を与えている。
文部科学省スペシャルサポート大使。日本弦楽指導者協会関東支部所属。

川畠成道オフィシャルサイト
http://www.kawabatanarimichi.jp

須関裕子(すせきひろこ) Hiroko Suseki - piano

桐朋学園大学音楽学部卒業、同研究科を首席修了。16歳で第2回チェルニー=ステファンスカ国際ピアノコンクールにて第1位、併せてステファンスカ賞、遠藤郁子賞受賞。翌年ポーランド各地でリサイタルを行う。第18回園田高弘賞ピアノコンクール第3位。第16回宝塚ベガ音楽コンクール第1位。第3回国際室内楽アカデミー(ドイツ)にてグランプリを受賞。野平一郎氏プロデュース「ピアノ伴奏法講座」2008~2010年度受講生。ソリストとして、秋山和慶氏指揮・大阪フィルハーモニー交響楽団、長田雅人氏指揮・ふじのくに交響楽団、新田孝氏指揮・ニッポンシンフォニー、鈴木秀美氏指揮・静岡交響楽団、東京フィルハーモニー室内合奏団と協奏曲を共演。NHK-FMやTOKAIケーブルネットワーク「静響アワー」等に出演。室内楽・アンサンブル奏者として国内外の音楽家からの信望も厚く、堤剛氏をはじめ多くの演奏家のリサイタルやCD等で共演している。2018年2月、初のソロCD「La Campanella」リリース。
これまでに穐吉慶子、寺西昭子、ミハイル・ヴォスクレセンスキー、野平多美の各氏に師事。桐朋女子高等学校および桐朋学園大学非常勤講師(ナンバリズミック)。桐朋学園大学嘱託演奏員

感染症対策についてご確認ください

感染症対策についてのお知らせとお願い
https://www.tempoprimo.co.jp/beatcovid19-2

「お客様へのお願い」

感染症対策のため、お座席の間隔を空けております。
発熱など体調に不安のある方は係員にお申し出ください。
館内ではマスクを着用ください。
来館時の検温、手指消毒、お手洗い使用後の手洗い消毒にご協力ください。
お手洗い利用時の整列では間隔を空けてお並びください。
退場時の混雑を避けるため規制退場を行う場合がございます。
ご協力をお願い申し上げます。

コンサートインフォメーション

チャリティプログラム2022 「川畠成道 ヴァイオリンリサイタル」

日時 2022年3月5日(土)13:30開演(12:30開場)
会場 紀尾井ホール
出演 川畠 成道(ヴァイオリン)
佐藤勝重(ピアノ)
曲目
  • ヘンデル:ヴァイオリン・ソナタ 第1番 イ長調 Op.1-3
  • ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ニ短調 Op.108
  • シューマン(クライスラー編):ロマンス Op.94-2
  • ワックスマン:カルメン幻想曲
チケット代金 【全席指定】S席5,500円、A席4,500円、学生券3,000円
※チケットは、チラシに記載の各プレイガイドでお求めいただけます。
お問合せ テンポプリモ Tel:03-3524-1221(平日10時半~17時)

川畠成道オフィシャルファンクラブ「川畠成道の会」入会のご案内

当会は、ヴァイオリニスト川畠成道の活動をサポートする会です。
コンサートチケットの優先予約や、会報誌のお届け、そして秋には「ファンの集い」の開催を予定しております。是非ご一緒に川畠成道を応援しませんか!
皆様のご入会を心よりお待ち申し上げております。

お問合せ

「川畠成道の会」事務局
〒107-0062 東京都港区南青山2-2-15 ウィン青山402号(川畠成道音楽事務所内)
TEL:080-5504-7131(受付日時:毎週木曜13時~16時)
FAX:03-6438-9694
E-Mail:narimichinokai@music.so-net.ne.jp